2013年8月27日火曜日

ヒヤリハットムカット

以前、「府中市の自転車事故は多い」という内容の新聞記事を読んだことがある。自転車が関連する交通事故の絶対数が他に比べて多いのか、交通事故のうち自転車が関連する割合が他に比べて多いのか、細かなところは気に留めなかったが、とにかく記事になっているのだから、私の住む府中市では、自転車がからむ交通事故に関して由々しき事態が起こっているようである。

車を運転中、歩道から突然自転車が飛び出してくるなどままある。車道の端っこを走る自転車がフラフラと車道の中央に寄ってくるので、おそるおそる追い越すと、そいつは携帯電話を見ながら運転していて、「ナンだよ!」と心でつぶやくこともある。先日は、一時停車で左右を確認し発進したところ、右から自転車が飛び出してきて急停止。言い訳をすれば、わが車のAピラー(フロントガラス両サイドの柱)は、自転車に乗る人が隠れてしまうくらい太く、いつも首を左右に振って確認するのだが、そのときは直前でその姿に気づいたという次第である。ヒヤリとした。私は「すみません」という意味を込めて右手を挙げた。が、70歳くらいの男性は、わが車の前を自転車でゆっくり通り過ぎながら、鬼の形相で私に向かって文句を言っているらしい。私はムカっとした。なにしろこちらは相手の存在に気づかなかったのだから、相手も「車が自分を確認している」という確認はしていないはずだ。こちらが手招きでもして「お先にどうぞ」との意思表示を確認していればともかく、「車より自転車が優先なのだから」という理屈一本で車の前を横断し、相手が思い通りの行動をとらなかったらキレるとは…。考えてみれば命知らずである。車と正面切ってぶつかったら大けがをする、あるいは命を落とすかもしれない。そういう防衛本能よりも「車より自転車が優先」「車より歩行者が優先」という理屈が勝っているということか。

私が小学生のころ、例にもれず私も荒っぽい自転車の乗り方をしていた。あるとき、あやうく車にぶつかりそうになった(それほど接近したわけではないけれど)。その車は灯油を戸別販売していて、我が家もよくお世話になったものだが、運転席から身を乗り出したおじさんからえらい怒られた記憶が鮮明に残っている。そして今、そのおじさんに感謝している。一方で、その時代はそれが当たり前であったのだろうとも思う。

「弱い立場にある者優先」理屈は理屈であって、しかし事故が起こってからでは遅いのである。事故が起こってから「俺が優先だろうが!」と言い立てても、大けがをしてしまっているのである、あるいは死んでしまっているのである。なにより優先すべきは事故が起こらないようにすることだ。車の運転、確認作業も完璧ではない。「俺は見られているはずだ」「車はよけてくれるはずだ」「あの車は止まってくれるに違いない」は、自分の身の安全を相手に委ねてしまっている。それは“甘え”ではないだろうか。

最後に、過去ブログ「経済学に何ができるか」での引用を再度。
―しかし現代の消費者が、あまりにも製品の質や安全性あるいはリスクに関して無頓着、かつ依頼心を強めているのは事実であろう。国が、そして行政が、消費者を常に完全に保護してくれると考えることが当然になっているのだ。―

2 件のコメント:

  1. > 「俺は見られているはずだ」「車はよけてくれるはずだ」「あの車は止まってくれるに違いない」は、自分の身の安全を相手に委ねてしまっている。それは“甘え”ではないだろうか。

    非常に同意します。

    日本人は、自衛意識が低すぎます。
    「弱者は言わずとも、無条件で守ってくれるもんだ」と勘違いしている人がたまにいます。
    人を信用する事と、人に任せっきりにする事は、別だと思います。

    たしかに、どちらかが注意して完璧に避けられれば、事故は発生しません。
    でも人間なんですから、ミスや見落とし・勘違いなどは当然発生します。
    そんなとき、片方しか気を付けていないと、事故が起きますが、
    両方が気を付けていれば、両者同時にミスが発生しなければ事故を回避できます。

    命に関わる事なのだから、「片方が気を付ければ良い」という気持ちではなく、「両者が気を付けられなければならない」と考えるべきです。

    海外に行くと、交通マナーは日本より悪い場合もありますが、多くの人が「自分の身は自分で守る」「他人を信用しすぎない」という意識があり、事故に合わないように注意を払っています。

    技術が高く先進国であるはずの日本の事故率が海外に比べて高いのは、国土が狭いのが理由だけでなく、こうゆう意識の違いが一因しているのではないかと思います。

    返信削除
  2. コメントいただきありがとうございます。

    私は二児の父ですが、こういった意識を子どもに身につけさせるのに苦心しています。あまり街中でキョロキョロさせるのも・・・などと思いながら。
    しかし、自分も他人も傷つけないためにはやむをえない、こういった世の中で生活しているのだ、と自分にも子どもにも言い聞かせております。

    事故もケガも、ないほうがいいですもんね。「どっちが悪い」とか言う前に、防ごうという意識が大事だと思っています。

    同感いただける方がいて、嬉しく思います。

    返信削除